La Finestra Vol.21
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11モダンな空間に 自然素材を取り入れる「木やリネンなどの自然素材を空間で使うことは以前からごく普通にありました。でも最近は、いかにもナチュラルなテイストではないモダンなインテリアでも、自然素材は無視できない要素ですね」 そう話してくれたのはインテリアスタイリストの矢口紀子さん。自然素材が増えた理由を、テキスタイル業界の動向に詳しい大場麻美さんは次のように説明します。「インテリアの分野に限らず、今は世界的に環境への配慮が必須。国内外の展示会でも、自然素材を取り入れた製品や空間の提案がトレンドになっています」 具体的に、自然素材をどう取り入れると今っぽくなりますか?「海外ブランドがよく提案しているのは、モダンな空間の中に自然素材を取り入れる方法(写真1)。今のインテリアは全体的にモダン化しています。そこにさりげなく自然素材を使うのがお洒落に映りますね」(大場さん) 矢口さんも、ナチュラル一辺倒ではないミックスインテリアがおすすめと言います。「自然がよいとはいえ、生活に工業製品は欠かせません。その味気なさを、温かみのある自然素材で緩和すると考えればいいのでは。先日海外で見かけて面白いと思ったのが、木製パーツの延長コード(写真2)。いかにも工業製品的なコードが、木でうまくカバーされています」。デザインはシャープに 素材は素朴に 矢口さんからはこんな提案も。「素朴な自然素材をそのまま見せるのではなく、手を加えてエッジィなアートっぽく見せるのもいいですね」。例えば写真3のように素材は素朴でも幾何学柄だったり、シャープなデザインのものを選ぶのも一つの手。「私が注目する自然素材はラタン(籐)。最近はモダンな家具(写真5)や小物がたくさん登場しています」。 一方、人工素材を自然素材風に見せる技術も進化しています。「テキスタイルの世界では、ポリエステルをはじめとした合成繊維の技術の進化がめざましく、防炎や遮光などの機能はそのまま、自然素材のような質感を出すまでに至っています(写真4)。特に窓まわりなど気候の影響を受けやすい場所で重宝しそう」と大場さん。場所に応じて使い分けしたりミックスするのが、今時の自然素材の取り入れ方といえそうです。Vol.21現代の生活に合わせた自然素材の家具を活用レトロな印象が強い籐の椅子も、デザインの力でモダンに。今の暮らしに積極的に取り入れて。「Relation Lounge chair」幅96×奥行き70×高さ74㎝、座面高さ39㎝ 130,000円/ヤマカワラタンジャパン103-5758-2577自然素材風に進化した機能素材を取り入れる気になる電化製品を木でお洒落にカバー幾何学柄で自然素材をシャープに見せる100%ポリエステルでつくられた、リネン風の防災テキスタイル。ドイツ、トレビラ社の展示。撮影:大場麻美積み木みたいな木製ブロックでカバーされた、思わず見せたくなるアートな延長コード。ドイツのデザインチーム、BLESSの手によるもの。© BLESSリネンなどの自然素材を染色し、幾何学模様に仕立てた生地や壁紙。2019年パリのデコ・オフで展示されたエリティスの製品。撮影:大場麻美※P11~19に掲載の商品は2020年2月1日現在の税別価格です。トーソー製品の価格は180×180㎝の場合の参考価格です。

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