La Finestra nuova Vol.19
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12La Finestra nuova Vol.19「バウハウス」を知っていますか? モダンデザインの祖は機能美のお手本 インテリアが好きな人なら、一度は「BAUHAUS(バウハウス)」の名前を耳にしたことがあるでしょう。1919年に現ドイツのヴァイマール共和国に誕生した造形大学、バウハウス。2度の移転を経てナチスにより閉校に追い込まれたのが1933年。わずか14年の活動期間ながら「モダンデザインの基礎」として今なお世界の建築やデザイン界に大きな影響を与える存在です。 校名はドイツ語で「建築の家」の意味。名付け親の初代校長、ヴァルター・グロピウスは教育目標を「芸術と手工芸(技術)の融合による総合芸術としての建築」と掲げ、そこに至るさまざまな造形活動――家具や陶器、絵画、金属工芸、織物、印刷・広告、舞台芸術や写真まで網羅した幅広い教育が行われました。その思想に基づいた教育システムは革新的なもの。予備過程(基礎教育)と実技(工房)の2つのコースがあり、全員がまず予備過程で色彩学やデザインの基礎を学びます。その後、適正に応じて専門性を培う各工房に進む仕組みです。このシステムは現代の多くの美術教育の基礎となっています。造形に関するあらゆることを学ぶ「建築の家」わずか14年間の活動期間ながら、今もなお建築・デザイン界に多大な影響を与えるバウハウス。創設100周年を迎える2019年、あらためてその功績をたどってみました。バウハウスの象徴、デッサウ校舎の工房棟。初代校長ヴァルター・グロピウスが設計、竣工は1926年。ガラスのカーテンウォールに格子のサッシが映えています。力強い「BAUHAUS」のフォントはヘルベルト・バイヤーが考案。Tadashi Okochi © Pen Magazine, 2010, Stiftung Bauhaus Dessau

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