La Finestra nuova Vol.15
7/24

case2近藤邸「いつか、鎌倉の古い平屋で暮らしてみたい」。そう長年思っていたという近藤洋司さん。念願かない2年ほど前に、高台に立つ築47年の平屋建て住宅を手に入れました。その後、建築家の宮田一彦氏に依頼してリノベーション。生まれ変わった家の中は、天井の梁や柱、建具、窓ガラスなどに古き良き和の雰囲気を残しつつ、北欧やアメリカのヴィンテージ家具と世界各国の民藝品やクラフト品、趣味のアウトドアグッズがセンスよく置かれた今風のクールな空間。和洋の別なくさまざまな国のアイテムが調和しています。 セレクトショップ、ビームスでショップマネージャーとして働く近藤さん。店で主に扱うのは服飾品ですが民藝品に触れる機会も多く、その魅力に気付いたと言います。「今では休みの日に骨董市や古道具屋に出かけたり、時には全国の産地に出向くこともあります」。そうして集まったのは、日本のものならたとえば島根の絣生地や沖縄のやちむん、大分の陶芸品、北海道のアイヌの木彫りのクマ。海外のものなら、アフリカの木製スツールやドイツの大きな壺、李朝時代の人形など。どれも素朴で力強さが漂う民藝品が多く、家が持つダイナミックな雰囲気によってさらに魅力を増して見えます。 北欧を中心としたヴィンテージの家具類もユニセックスで骨太のものが多く、古今東西を問わず「力強さ」が近藤邸のインテリアのキーワードかもしれません。それらが渾然となって、この家のクールな居心地の良さを生み出しているのでしょう。「最低限の断熱は施したのですが、古い木造家屋なのでやっぱり冬は寒い(笑)。それでもこの家の居心地は最高です」。ダイニングに吊したインパクト大のランプは、フランスの工業製品ブランド「MAZDA(マツダ)」のヴィンテージ品。味わい深き日本家屋に世界各地の民藝品が集結心地よさをかなえる和×洋なインテリア7

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る