La Finestra nuova Vol.12
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14La Finestra nuova Vol.12YKK AP(株)窓研究所が好きな窓インテリアデザイナー前畑順子さんが好きな窓慈照寺銀閣東大阪市役所旭町庁舎(旧枚岡市庁舎)間戸から窓への転換を見るコルビュジエの精神が生きる歴史の観点から慈照寺銀閣を挙げてくれたYKK AP(株) 窓研究所。「日本では障子や襖など、柱や梁の間の建具としての間戸(まど)が長らく主流でした。中世に入り、花頭(かとう)窓と呼ばれる特徴的な曲線の窓が中国から導入され、それまでの矩形の間戸とは異なる窓が成立します。銀閣の花頭窓はその一例。以後、窓の造形は多様化していきます。花頭窓は、日本の窓の歴史の重要な転換点として見ることができます」大阪の建築に詳しいモリモトさんが挙げたのが、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三のもと西澤文隆、東孝光が設計した東大阪市役所旭町庁舎。「関西のモダニズム建築を語るうえで欠かせない建物。コルビュジエ提唱のモデュロール(建造物の基準寸法)を用いたリズミカルな窓の割り付けで、コンクリート打ち放しの重厚な建物の造形を際立たせている点が素晴らしいと思います」京都府京都市左京区銀閣寺町2☎075-771-5725大阪府東大阪市旭町1-1☎072-988-6624旧帝国ホテルライト建築の粋が結集愛知県犬山市字内山1 博物館明治村内☎0568-67-0314前畑さんが挙げてくれたのは、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテル。「幾何学模様が彫刻された『光の籠柱(かごばしら)』と呼応するように、窓には漆で金箔を貼り付け背中合わせにした細かい色ガラスがボーダー状に配されています。自然光を受けて美しくきらめく窓辺に、時を忘れて佇んでいたくなります」Нет 大阪建築モリモトヒロミツさんが好きな窓Ⓒトマス・ピンコⒸトマス・ピンコ

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