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CINEMA 映画で見つけたインテリア
vol. 08 Closed Note

久しぶりに胸がキュンとした。路地や坂道、階段、小さな川。緑豊かなこぢんまりとした町での切ない恋のお話。
舞台の中心は大学生、香恵の部屋。路地の先にあるノスタルジックで瀟洒な建物はいくつもの過去を包み込んできた風格が漂っている。香恵はこの部屋の前の住人が残した日記を見つけ、開いてしまう。日記を書くという行為そのものがすでにノスタルジックなのに、ボルドーのインクで丁寧に書かれた万年筆の濃淡が懐かしい。日記の持ち主は小学校の先生。子供達に真摯に向き合う姿、恋人への思い。次第に彼女へ憧れを抱き、自分と重ねてしまう。香恵もまた小学校の先生を目指し、絵を描く青年に思いを寄せているからだ。
日記のある部屋でノスタルジックな日々を

香恵の部屋には小さい窓がある。窓際には造り付けのソファ。背もたれは木製、座面はモスグリーンの布張りだが硬くしっかりとしている。日記を読みふける時は、ソファに座ったり寝転んだり、時には窓の外を眺めながら…。暮らしの中心はいつも窓とソファなのだ。渋色のニットのクッションや北欧風の家具が地味な学生風だけど、小ぶりな間接照明があちこちに点在するこの部屋は、オレンジ色の明かりに包まれていて香恵の表情をいつも柔らかく照らしている。

前の住人はというと、先生らしくトラディショナルでまじめな印象を与えるインテリア。クラシカルなオーク材の家具が落ち着いた大人の女性を感じさせる。恋人を待ちわびたり見送ったり。彼女もやっぱり窓辺がよく似合う。同じ部屋なのに住む人によって、いかようにも変化する。インテリアはその人の性格をよく表しているのだろう。
Closed Note Closed Note

一方、香恵の恋する画家の青年も古い洋館風のアパートに暮らしている。画家らしく床には絵の具が転がり個展間近の作品が重なり合っているが、一見散らかっているようで、それがかえってかっこいい。印象的なのは、アーチ型の窓に掛けられたワイヤーに様々なスケッチや紙切れが木のクリップで留められているところ。こういう日々の積み重ねがつくるアトリエ的インテリアは私好みで、香恵でなくともコロッといってしまう(笑)。

不思議な出会いと悲しい真実は、香恵の弾くマンドリンとともにどうしようもなく切なく響く。素敵な建物と町、そして日記と万年筆。静かにしみこんでくる現代のおとぎ話しのような、懐かしい記憶のストーリー…。

「クローズド・ノート スタンダード・エディション」

DVD発売中
発売元:ショウゲート・東宝
販売元:東宝
監督:行定 勲 2007年 日本映画
出演:沢尻エリカ 伊勢谷友介 竹内結子
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